東北歴史博物館ボランティア            2013年版 本文へジャンプ
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 【2013年4月活動日記】3
 4月27日  晴れ 強風    ■焚火から出る煙は「イイ女の方になびく」■5
歴史博物館古民家ボランティアも早いもので一年が過ぎました。私のボランティアのモットーは案内しすぎないことに尽きます。今日は盛岡から見学に来たおばあさんで囲炉裏の火が懐かしいと話し、焚火から出る煙は「イイ女の方になびく」と昔から言われているんだよと教えていただきました。見学者は年配者が多く郷愁に誘われて訪ねてくるようで、逆に昔の暮らしぶりを教えていただいています。そういう話を聴いてあげるのもボランティアの役目で、私はそちらの方を大切にしています。
歴史博物館本館特別展では「美しき東北の街並み」というタイトルで吉田初三郎が描いた鳥瞰図(ちょうかんず)を展示しています。鳥が天空から観た様のように街並みを描いている訳ですが、今でいうパノラマ写真に似た感じで、よく観光案内図に載っている絵です。下の絵は宮城縣鳥瞰図で仙台を中心に金華山まで描かれています。GW期間中にぜひ観に来ていただきたいです。
4月6日              ■杏梅の花がやっと咲き始めました■ b
ウチロジの杏梅がやっと咲き始めました。満開は3日後あたりでしょう。予定では杏梅の話題をメインに日記を書こうとしていましたから開花遅れはとても残念です。次回当番までには散るでしょうから、今年は観られそうにありません(涙) 
写真右の方が古民家をスケッチをしていました。とてもお上手でしたから、コツを教えてとお願いしたら枚数を多く書くことに尽きるとのことでした。

邪魔にならないように写真を撮らせていただきました。

この絵はボランティアOBさんが描いたものです

ウチロジには飛び石が置かれトオザシキに通じます。砥草が飛び石の存在をさりげなくひきたてています。

杏梅の花がやっと咲き始めました。3週間遅れの開花となりました。

満開に咲いた杏梅を通して古民家座敷を眺めてみれば江戸時代にタイムスリップしたような錯覚を感じることができます。
 【2013年3月活動日記】 b
 3月30日              ■古民家の天井や柱が漆黒になるので■ 4
 肌寒い日が続きウチロジの杏梅はまだ蕾のままです。二週間前の陽気が続き、ひと雨あれば今日あたりは咲き始めてもいい筈なんですけどね。予定では杏梅が咲いているウチロジを話題にする筈でしたが、まだ蕾の状態ですから今回は古民家の屋根裏を囲炉裏から見た印象を伝えたいと写真を撮ってきました。
屋根材は茅と竹を使って葺き、藁縄で縛って固定させます。囲炉裏で毎日火を焚いているとその煙で燻(いぶ)され、写真左端の状態から写真中&左のように真っ黒になります。普通 藁縄は2・3年で老けてしまい強度が著しく落ちてしまいます。薪を燃やして出る煙のタール成分が茅や竹そして藁縄に浸みこんで防虫・防水の役目を果たし、そして強度を増しているのでしょうね。いずれにしても先人たちの生活の知恵なんでしょうね。
私はそれにプラスして、古民家の天井や柱が漆黒になるので渋い美的感覚も出てくるように思われます。どんな塗料を塗ってもこのような深みのある渋い黒色にはなりませんものね。
    
女のお子さんを連れて貝に絵を描いて貝合わせの貝を作ってみませんか。
  3月16日  a              ■ウチロジには杏梅の古木が■
古民家今野家の季節の移ろいを眺めていくのもなかなか味わいがあるものです。 いえいえ珍しい植木や植物があるわけではなく、逆にものすごくシンプルで一見そっ気が無い。写真下はウチロジですが内路(露)地とも書くようです。主木と言えるものは杏梅の古木だけです。その周りにツツジが数本あるだけで、それを雑木の枝を利用した垣根で囲っているだけです。垣根越に眺めてみるとこれがなかなか飽きないんですよ。やっと杏梅の花芽が膨みあと一週間程で開花するとおもいます。そうするとこのウチロジの様子ががらりと変わります。すごく趣のある庭になります。昨年撮った写真はありますが、ここでは紹介しません。今度の当番のときに撮ってきてUPします。ウチロジに面した部屋は「トーザシキ」「チカザシキ」と呼んで江戸時代の頃には藩の役人がここで仕事をしたそうで、今野家の住人が使う部屋では無かったそうです。そしてこの部屋だけ畳が敷かれています。この部屋から眺める杏梅が咲いてるウチロジは今も昔も眺めは同じだったでしょうかね。
 ■ウチロジ :  茶庭で二重露地の場合、中門を境にして、茶室に至るまでの内側の庭のことを言うそうだが、ここには茶室はなく、役人が使用する座敷があるだけです。上級の役人を迎える時にはウチロジを出入り口として座敷に通したそうです。
    
3月20日(水)に歴史博物館本館前野外特設舞台で御神楽が上演されます。少し厚着をしてお出で下さい。13時開演無料
 【2013年2月活動日記】2
  2月2日  a               ■昔の人の知恵とか工夫は凄い■
茅葺家屋とは茅を材料にして葺いた家屋ですが、約1万6500年も昔の縄文時代には茅を用いた屋根だけの住居が作られていたそうです。通気性・断熱性に優れ雨音が小さいなどの長所を持ちその形式は、本を少し開いて伏せたような「切妻造り」、屋根面が四方にそそぐ「寄棟造り」、切妻造りの屋根に四方に廂(ひさし)を茸き下ろして一つ屋根とした「入母屋造り」の3つが基本形態で、現代の日本家屋に引き継がれています。
きょう取り上げる天窓は茅葺屋根には必要不可欠のものです。昔は電気が無かったですし、ロウソクなどは貴重品ですから採光の為もあり、更に囲炉裏から出る煙を追い出す煙突の役目も果たしています。ここ今野家古民家では天窓を「そらまど」と呼んで晴れた日の朝に開け陽の落ちる夕方には閉めたそうです。写真中が外から見た天窓で写真右が囲炉裏の上の天窓です。スライド式になっていてロープを離して開け、ロープを引いて閉めるようになっています。現代の家に天窓を付けるとなんかオシャレでリッチな家に見えたりしますから、昔の人の知恵とか工夫は凄いですね。ここの古民家では閉め切っています。天窓のスライドが古びて壊れそうなのと、薪を焚いた煙で燻しているので煙を逃さない為に閉め切っているということもあります。
   
ボランティアの先輩でスケッチを趣味にしていた方が描いた古民家今野家の絵です。しっかりと真ん中に天窓を描いています。
 【2013年1月活動日記】    1 
 1月19日                 ■小正月には「オクノメイダマ」■
 7日には正月疲れで弱った胃腸を労わる七草粥を食べ、小正月(15日)は女の正月ということで朝に小豆粥を焚いて食べ、その年の豊作と無病息災を願うそうだ。我が家では面倒なのでそういうことはせず普段通りの生活です。今日のボランティアでは小正月をメインにお飾りをして見学者に紹介している。古民家今野家の小正月には「オクノメイダマ」というものを飾る(写真右)。今日の見学者でテーブルコーディネーターという方や70歳超えのおばあさんが孫を連れて昔の生活様式を私たちより詳しく説明していたり、60歳台前半の方が毎日家に居て奥さんとの会話も無いのでここに来た等といろいろな見学者が来ます。お話し相手になるのもボランティア活動なんですけど、2時間ものお付き合いには少々へきへきした。
本館3階には図書館があり貴重な歴史書がずらりと並んでいる。またPCでの調べものもできるようになっている。興味があれば生まれ故郷の歴史を調べたりするのもいいです。なにせ静かでゆったりして何よりとっても暖かい。机に座って歴史書を前にうたた寝するのもいいかなぁ(笑)。退職して毎日を暇にしている方は是非とも東北歴史博物館に足を運んでほしいですね。とびっきり別嬪さんがご案内しています(笑)

       【オクノメイダマ】
14日の昼頃に餅を搗き、径6cm程の丸餅を、取っておいたクリの木に挿す。枝が12本で、平年の餅数は12個、閏年は13個挿して飾るそうだ。そのいわれなどに関しては一切分からない。代々そのようにしてきたのでこのように飾っているそうだ。

雪が積もった今野家のウチロジの様子です。なんか落ち着くでしょ。

お孫さんに経験を踏まえた昔の生活様式を説明していたおばあさん。

茅葺屋根には10CM程の雪が積もり、少しずつ溶け出している。でも茅に浸み通す深さはせいぜい5cmほどだ。
 【1月5日】                        ■今野家の正月飾りとTV撮影■
2013年古民家ボランティア始めの日に地元TV局があのパンチ佐藤さんをゲストに実況生中継にやってきました。12時30分放送なのに、朝九時前にはもうリハーサルの準備をしていました。8分間の放送なのですが、撮影スタッフの多い事15人ほどで何度もリハーサルをしています。パンチ佐藤さんもイメージ作りに真剣です。そんな中私たちボランティア仲間はサインと記念撮影をお願いしました(汗)
古民家今野家の正月飾りは、現当主の今野さんが毎年手作りで飾ってくれてるのだそうです。正月飾りにはその土地特有で決まりというものはないそうで、特に海沿いの集落では豪華に飾る傾向があり、内陸部の農家では地味にしっとりと飾る傾向があるようだ。土間の炊場の壁にはハゼ・タラ・サケ・カレイ等を吊るして燻製化してお客様に振舞うのだそうです。こんなところにも生活の知恵がみられます。昔の人々は八百万の神々様を敬いながら日常生活をおくっていたのでしょうね。

パンチ佐藤さんは嫌な顔一つせずニコニコ顔で写真撮影に応じてくれました。嬉しかったですね、もっともっと活躍してほしいです。