スポーツ植木職人活動日記         2016年版 
 12月29日  晴れ           ◆哲之助班長が箒作りを教えて   19
何かしなくっちゃ!!!  毎年の事だがこの時期の悩みだ。スポーツ農業もスポーツ植木職人もオフシーズンになると毎日左手にテレビチャンネルを持って炬燵の運転手と昼寝だけとなる。昔の年寄は冬になると「手慰め」と称して家庭で使う日用品等を手作りしたものだった。私の祖父等は竹かご等作ったりしていたのを覚えている。孫の私はというと「手ぶすかれ」と云って手先の作業は大の苦手だ。男の不器用は時に女性のこころをくすぐるそうだが、それは手先の不器用にあらず、心の不器用にだろう。
健さんの人気はそこなんだろうなぁ/笑
その手先の不器用な私だが竹箒作りは得意だ。きょうはシルバーC植木班の哲之助班長が箒作りを教えてくれということでおいでになった。わたしが使っていた竹箒を見て欲しくなったそうだ。材料のスズ竹取りから始まり穂先を選りすぐって束にするところから作成開始だ。
       
手慰めでこんな正月飾りを作っている。
 
哲之助班長はとても明るく何事にも前向きに行動する。竹箒作りのレクチャーをひと通りした後は自力で工夫しながら作るようにとアドバイスした。まぁまぁ初めてにしては上手に作ったようですよ。3本作ったので来年一年はこれで間に合う筈です。剪定し終わった後の片づけにはこの竹箒でキレイに仕上げてくれるはずだ。
 
もう一つ手慰めは正月飾りの作成だ。一般的には青竹三本仕立てだが今年は一本仕立てで作ってみようとおもいたった。土台の部分はオイル缶を使用し藁が手に入らないので杉皮を使った。昨日いち日でここまで作り31日に黒松葉や南天等を挿し込み完成となる。そこの所は生け花の心得がある連れ合いにお願いしている。31日午後に玄関前に飾り置きする。もちろんその様子をblogアップするのでぜひとも閲覧しに来て欲しいなぁ/笑
  12月25日  晴れ              ◆スキルアップとは腕を磨く事     18
PCの調子がイマイチ悪くだましだまし使っていたが、3日前遂にログオンできなくなった。丁度シルバーCから11月分の配分金振り込みがノートPCを買うのに充分だったため、年末大商戦にwin10を買おうと決めていた。昨夜最後のチャレンジをしPw入力画面でF2を押しメモリー修復を試みログインファイルを前周期に戻して見事回復となった。現役時代にPCの設定サポートセンターで働いていたのが役に立った。今ではPCスキルはほとんどチャラ状態だが、昨夜はなんかチラッと閃いた感じだった。
スキルと言えば今では剪定スキルで日々楽しく暮らしているが、先日 古川公民館の黒松でスキルアップ剪定ボランティアで今年の活動が最後となった。来春まで活動休止となるのでツール類のメンテナンスを少しずつしている。すでに電動バリカンの駆動部にグリスを塗り込み刈り込み刃の汚れを取りスプレーオイルをふりかけておいた。それからロング剪定鋏のメンテとチェンソーもキレイに汚れやチップを取り除いた。残っていたのが手鋏類だけで、これは砥石を使って研ぐ訳だがこれもなかなか研ぎスキルが鋏の切れ味を大きく左右する。スキルという言葉は30歳代後半頃だったか、職場で盛んに使われるようになった。知識の濃淡だけではなく技術の熟練度を指すものと理解してきた。平たく言えばスキルアップとは腕を磨く事で合ってる
?  植木職人にスキルなんてカタカナ言葉は似合わねぇ!!  来年はユーザーさんに いえいえ施主様に喜んでもらえるようにもう少し腕を研き上げたいな/笑
 
包丁研ぎは子供の頃からしていたが、鋏研ぎは包丁のようにはいかない。植木職人となった今はこの研ぎ技術に研きをかけたい。
 
木鋏や剪定鋏それに葉切り鋏。ほとんどはネットオークションで買い求めた。道具を集めるのも趣味のひとつとなってしまった。
 
全部使ってるのかって? 正直使っていません。使うのは大体決まっていて3種類くらいかなぁ。いいんです シルバーCの仲間は道具を集めるのが好きなんです。そうしていっぱしの職人気取りで自己満足してるんですよ/笑
 
笑ってしまうでしょ、こんなに必要ないんだけどね。連れ合いはもう呆れていてバカにされっぱなしです/涙
 11月11日                   ◆植木職人さんのセンス   17
予報通り朝から雨降りで肌寒い。9日の夕方にはみぞれが降りましたから、もう季節は初冬の感じだ。植木職人の仕事は忙しく、昨日は5人で広いお庭をキレイに剪定してきた。私の担当は朝鮮五葉松・吾妻五葉松・モミジそしてツバキ等だった。季節がらモミジの剪定は楽しみです。葉が紅葉してそのままでもキレイだが、枝ぶりを流すように整えてやるとバランスが良く、陽が当たり風に揺れると紅葉した葉がキラキラ光ってるように見えとても美しい。高さ3mほどのモミジとなれば2時間程掛けて剪定する。まず徒長枝を切落とし次に太く力強い枝を切りながら細くて外に向いている枝をバランス良く残していくのがポイントだ。時々三脚から下り全体を見ながら剪定していくと巧くいく。せっかくの紅葉なので余り透かし過ぎると趣が無くなる。その辺は植木職人さんのセンスということなんだろう。
 
我が家のドウダンツツジの紅葉だが屋敷をぐるっと囲っているので、この時期稲井石の擁壁と相まってとても美しい。
 
植木職人には軽トラは必須だ。もちろんツールとしての三脚は鋏類と共に無くては仕事にならない。新古車で買った軽トラだが、シルバー植木職人で購入代金を稼ぐにはもう一年働かないとね/笑 まぁ 半分暇つぶしに行っているようなもんだし、なんたって仕事がおもしろいから毎日が楽しいですよ。
 
我が家の冬の食料備蓄ハウスだ。今年は野菜が高騰しているので無駄なく食べるようにする。摘んだ後には露地の幼い苗を植えこみ隙なく栽培しているそうだ。今年は元肥えとして堆肥のほかに14・14・14の配合肥料に尿素を混ぜて与えてみた。結果葉の緑が濃く滋養満点の野菜に育っている/笑
 9月30日  曇り                 ◆紅葉し始めてきた   16
9月も今日で終わり、秋の長雨とはよく言ったものでひと月ずっと雨が降っていたような感じがする。夏の暑い太平洋高気圧が南に退き、代わって大陸の冷たい高気圧が北日本に張りだしてくると、二つの異なった高気圧がぶつかり大気状態が不安定となり秋雨前線が発生するそうだ。気温もかなり涼しくなり昨夜は掛け布団を引っ張り出しぐっすり寝られた。自慢のドウダンツツジは紅葉し始めてきた。これから一晩ごとにエンジ色が濃くなってくる。今年はひと月早く6月下旬に剪定したが、その後に芽も吹かず形は刈り込んだときのままだ。門口の坂道を上りきった所に金木犀が植栽されている。山吹色の小さい花が満開で無数に咲いている。そして花は強い芳香を放ち茶の間にいると、鼻の奥から胸のあたりまで少し苦しくなるほどだ。若い頃「生薬研究会」なる少し危ない仲間達が金木犀酒を作ったとかで試飲してみたが、花を入れすぎたのか香りがきつすぎて一口で閉口した想い出がある。明日から10月秋本番となる。庭木の剪定は黒松を残すのみだ。しっかり切り戻しパラッと透かしもみあげまでしてマブク仕上げてみようとおもっている/笑
  9月14日  曇り            ◆稲妻風で大成功      15
男の年寄は寂しいもんだねぇ。仕事が無い日はつまんねぇし、雨上がりでスポーツ倶楽部のソフトボールもお休みだから暇をもてあまし、10月に入ったら剪定しようと強くこころに決めていたがやってしまいました。黒松の剪定はかれこれ30年もしている。オレ流でしたけどね。松島海岸で黒松を剪定していた職人さんの技を2時間掛けて見ていたのが35歳頃だったかなぁ。見事でしたよ、ささささっと あぁ このようになりたいなぁなんて想いましたもの。門口鼻の松をちょっとだけいじくろうと始めたが結局全部してしまった。斜面にある松なんで剪定しずらく毎年苦労しているが、きょうは下から見上げて剪定してやろうとおもいたった。雑木類の剪定では忌枝を切落とすことから始めるが、松もそうしたら良いのではと閃いたんです。松は見る角度によってその姿が変わります。斜面の松は下から見上げるので枝の流れがポイントなんです。そこの所を意識して下から忌枝らしき枝を切落としていったら"おみごと!!"。丁度良い案配に透けて枝の流れも稲妻風で大成功です。なんでもっと早く気付かなかったのかなぁ。
 
松葉の上から見ての剪定では枝の流れがよく見えない。主に交差枝を伐っていくと良いようだ。今回は伐り戻しはせず透かしただけ。
 
伐り戻すのが松の剪定と決めつけてきたが、今回は下からと上から小透かし程度に剪定した。来春の新芽の状態がどうなるか。
 9月4日  曇り            ◆きょうの剪定はチャボヒバだ    14
残暑がとてもきつい。8月の植木職人を全休した反動でバテバテだ。今年の夏はきつかったこともあり、仲間のひとりは来年の8月は休むと宣言していた(笑) まぁ全員還暦をとうに過ぎた面々なんでね。自分のライフスタイルに合わせて働けるのがシルバーの良さです。
9月に入ったので我が家の植木を少しずつ剪定していくことになります。遊びで黒松を一本剪定したが、残りは今年こそ10月に入ったら取り掛かるつもりだ。それは8月中旬に新芽を"中芽落とし"して切り口から秋に二番芽が出るか実験中だからです。中芽落としは剪定時新芽の高さを揃えたり、間延びした新芽の途中から新たな芽をふかせる為の技術として私は取り入れている。
きょうの剪定はチャボヒバだ。こちらでは竿ヒバと呼んだりして一般的にどちらのお庭にも必ず数本植栽されている。シルバーでは初心者にこのチャボヒバの剪定をさせる。葉刈り鋏でパチパチと蒲鉾形に剪む訳だが、一日中していると右手の指が腱鞘炎となりとても痛い。我が家には6本あるが無理しないで1日3本までと決めている。強剪定は禁物だ、冬になると葉先に枯れが入り醜くなる。強剪定するには葉の成長が活発な8月中旬までにしたらよい。今回はことし伸びた分だけの刈り込みとした。ただ日が良く当り成長が早い天端だけは少し強く剪定してやった。でないと頭でっかちになってバランスがとても悪くなるからだ。

このチャボヒバは30年前に挿し木から大きく育ててきた。もう2段程高かったが、高所作業が苦手な為低く切落とした。

剪定の順序は天端からだが、もうひとつ傘の裏の枯れ葉や枯れ枝を取り除き、輪郭をきっちり作ってから葉の剪定を始める。

写真左のように中は枝だけで空洞にしてあげる。シルバーでここまでする人は誰もいない。まぁ手間がかかりますからねぇ。ピシ-ッと刈り込む方もいるが、わたしは写真中くらいにしておく。少し葉の形があった方が離れて見たときに柔らかく感じられわたしは好きだ。

少し離れて見た様子だがまずまずの出来栄えではなかろうか。一般的に外から見て目につくのが松とこのチャボヒバだろう。
樹高が高いこともあるが見事に玉を散らしバランスの良い姿は決して松に見劣りはしないとおもっている。
  8月15日  曇り                ◆切り戻し透かし剪定   13
お盆のこの時期にしては珍しく涼しい。黒松の剪定時期は一般的に10月からが適期と言われている。去年は気が早り9月にしてしまい反省して今年は秋になってからと強く心に決めていた。なのに涼しいことや何もすることがないので衝動的に剪定を始めてしまった。初夏の新芽摘み後の脇芽や二番芽が出揃ったのでこの時期に剪定したらどうなるか試してみたかった。今回は新芽摘みで残した芽を全て伐りその脇(下)にある小さな脇芽や二番芽を残す切り戻し剪定をすることにした。もちろん枝が混み合っているので透かしを入れた切り戻し透かし剪定と呼ばれている方法だ。造園科で学ぶ以前には芽摘みはせず、秋いっきにすべての新芽を切り落とし脇芽を残す切り戻し剪定をしていた。卒業後は芽摘みをしっかり行い、秋に新芽をY字に残し古葉をむしりカラッと仕上げる"もみあげ剪定"という方法でしていた。手間はかかるが形が整い上手に仕上がる。枝全体の厚みを保ちさも仕立て風の装いとなる。ただ切り戻していないので長年続ければ葉のついていない部分の枝がだんだんと足長風になり見栄えが悪くなってくる。今年は4年間の芽摘みで形ができてきたのですべての新芽を切り落とす"切り戻し透かし剪定"とした。
【剪定前写真拡大スライドショー】 【切り戻し透かし剪定後写真拡大スライドショー】

左二枚は剪定前、新芽摘みで形を整えているので葉が展開しても整枝状態でまったく見苦しくない。ただ葉が密集しすぎ状態。
右写真下半分が剪定途中。奥から手前の順に剪定すると脇芽を痛めない。キツイ斜面に懸崖風に作ってあるので作業がしずらい。

今年の新芽を切った状態、新芽の脇や下に脇芽と呼ばれる小さい芽がある。それを折らないように間違って切らないようにする。
脇芽は基本的にひと枝に2芽残せばいいが混み具合でひと芽とすることもある。もみあげはせず垂れ下がった葉だけむしり取る。

部分的に見て"?" でも少し離れて全体を眺めカラッと涼しげに見えたらそれで良い。でももう少し上手にできないかなぁ/笑
 7月16日  曇り            ◆ゆっくり剪定   12
シルバー植木職人は健康増進に大いに役立っている。健康診断で中性脂肪がCランクからいっきにAランクにアップした。70kgほどあった体重が66kg台までダイエットできている。体形がスリムになり自分でも見た目も体調も良いなぁと感じる。見た目楽そうな植木職人だが中々どうしてハードなんですよ。
少しずつ我が家の植木を剪定している。お盆までに何処の家でも屋敷周りをキレイに整えるのがこの地域の暮らし風景だ。きょうは座敷前のキャラボクやサツキ・トキワマンサクなどを汗かかない程度にゆっくり剪定してやった。植木職人としてはトリマーを使いたくないが、なにせ買って間もないので使ってみたくてしょうがないんですよ/笑 仕事でする剪定と趣味でする庭木の手入れはまったく違う。まず丁寧さがそしてこころのあてがい方がゆったりと静かに進められるかがポイントだ。いずれ其のうち楽しい趣味だけの庭いじりになるだろう。

トリマーは刃を浮かせぎみにゆっくりと刈り込む。慌てたようにすると刃が食い込み樹形を崩してしまう。こまい所は鋏で仕上げる。

こうして少し離れて眺めてみるとなかなか良い案配に作ってきたのではないだろうか。それなりに気にいってます/笑

キャラボクの剪定で切り屑をしっかり落とすことが大事だ。基本の枯れ枝枯れ葉をしっかり落とすことは言うまでもない。

10時のタバコ休みに監督ハナも必ず参加だ。この時ばかりは従順にコマンド通りに動く。座れ・伏せ・マテだけだけどね/笑
 7月2日  曇りのち小雨      ◆垣根の剪定作業は今日で終わった   11
梅雨真っ只中の7月に入った。梅雨と言えばジメジメ ジトジト 不快の極みの感じだが、割合涼しく私としては真夏のあの暑さよりは過し易い。だいいち手塩にかけた紫陽花小径は雨が適度に降っているおかげですべて満開に咲きとてもキレイだ。夏野菜たちも少しずつ生り始め毎朝 毎晩食卓に上がり 弁当にも入ってくる。
屋敷周りを囲んでいる垣根の剪定作業は今日で終わった。水曜日に東側のドウダンツツジを刈り終えているので、南側の黄金ヒバの垣根を刈り終えれば全て完了だ。以前はほぼこの黄金ヒバの垣根であったが段々と横に膨らみ天端刈りもしんどく大変な重労働だった。連れは垣根に殺されそうだと毎年文句タラタラ言いながら片づけをしていたものだ。南側の一部に30mほど残していた黄金ヒバをあの頃を懐かしみながらゆっくりと刈り終えた。連れは最初から手伝う素振りさえみせない/怒

ミニトマト3個は寂しいが、連れはハウス内で数個味見してくるそうだ。この3個は多分弁当に入るやつだろう/笑
 
屋敷の東南端なのであまり吟味せずにしてきたが、こうして刈り終えた後に眺めてみれば満更でも無い感じがする。
 
雑木山を切り開いて屋敷にしたので斜面が多く何するにも難儀だ。歳をとるにつれ広い屋敷は負担となり重荷になってきた。
  6月26日  晴れ            ◆丸みをつけるように10
一週間ぶりの青空で朝から気持ちが良い。こんな日はスポーツ農業かスポーツ植木職人をしない手は無い。まず最初に米糠を精米所から1袋貰ってきて里芋の畝と畝の間にばら撒いておいた。発酵が終わった頃に2回目の土寄せをするつもりだ。残りはドウダンツツジの刈り枝を自家堆肥置き場に捨てるので米糠を混ぜて置くと来春には案配の良い堆肥となる。
屋敷南側のドウダンの垣根の剪定は終わっているので、今日は西と北側を刈り込んだ。袴に植えてあるサツキの花が終わったのでグットタイミングの刈り込みだ。でも例年よりひと月早い作業だが暑くなってからするよりいくらか涼しい今頃が良いのかもしれない。本当は昨年ネットオークションで買った刃長400mmのトリマーを使ってみたくてウズウズしていたので、早く刈ってしまったというのが正直な気持ちだ/笑 リョービの中古トリマーだったが切れ味抜群だった。とても2000円で買ったとはおもえない。わたしはトリマーで大雑把刈りをして、凹凸の修正は刈り込み鋏を使うことにしている。若い頃には一直線に角ばてて刈り込んだものだが、仙台の庭師さんにあなたの性格がでている刈り方だねぇと言われた。もう少し丸みをつけて剪定した方がいいよとアドバイスをいただいた。なぁ〜るほどと納得しそれ以来どの植木にも丸みをつけるようにしている。自分の心持に、もっともっと丸みをつけたいものだが、そこのところは刈り込み鋏で伐るようにはいかない/涙

トリマーの使い初めに電源コードをよく切ったものだが、最近はそんなこともなく作業している。電源SWを切った時が要注意。

刈り終って眺めてみると屋敷全体がキュッと締まって見栄えが良い。今日遊びに来た連れの友達から剪定を依頼されたのだが・・・。
  6月12日  晴れ            ◆みっぱ透かしに挑戦している◆  9
 
   剪定前  "新芽が成長してひと回り大きくなったモチノキ"  剪定後
ここに居を構えたのが31年前でそれ以来なるべくお金をかけずに植木を集め手入れをしてきた。どうしても祖父のように上手にしっとりとした庭にできないでいる。
祖父は100歳近くまで長生きした。私が子供の頃にはもう田んぼに出る事は無く、地下足袋を履き足にゲートルを巻いて庭木いじりしている姿を今になっても想い出す。たぶん今の私くらいの年齢だったのかも。当時としては立派な庭で奥座敷から縁側を挟んで眺める植木はキチンと手入れされそれを普通のように見ていた。多分自己流のはずだがなんとも見事に剪定していたものだった。
 
モチノキを植えて10年程になるが最初は分らず刈り込み鋏で剪定していた。造園科に入り芽伐り鋏で剪定するように指導された。
 
モチノキ・モッコク・モクセイの透かし剪定ができれば一人前なそうだ。去年からみっぱ透かしに挑戦している。枝先を切り詰め葉を2.3枚残す剪定で凄く根気のいる作業だ。時間がかかり過ぎるのでお客さんの庭では不向きかなぁ。これ一本で3時間掛かりましたから料金も高くつきます。でも仕上がりはキレイですよ。そよ風に枝先が揺れると涼しげでとても見栄えが良い。
 
新芽が伸びきり葉の緑が濃くなる6月あたりが剪定時期と言われている。剪定は単純でY字伐りその枝先に葉を2.3枚残しその他は切落とす。祖父はこういう時何を考えたり想ったりしてたんだろうなぁ。わたし? いろいろとね 一過性なんで覚えていない。まぁ良い時間を過ごせました。
 
形を作りながら枝先を切り詰め、なるべく枝が長くならないようにする。近くで見ると少々デコボコでも、少し離れて眺め全体としてまとまっていればよい。最初それができず一点ばかり見て剪定していた。だいたい良しの方が自然風でとても良い。
 
最後の片づけこれが大事だ。伐り枝を全て拾い集め雑草も抜きキレイにすると、なお一層仕上がりがよく見える。
ご近所のおじいさんが散歩に来て「家の庭をやんべに剪定してけさいん」(注)と頼まれた。やんわりと断りましたけどね。だって下手だの高いだのと必ず世間は言うもんですからねぇ。その辺を話したらそのじいさん「んだんだ 世間ってそう言うもんだ」と変に納得顔だった(笑)
注: "やんべ"とは「いい案配に」ということだろうが、こういう場合簡単に安くして欲しいという意味。
 
 5月28日  晴れ            ◆春季剪定技術交流会を開催  8
初めての試みとして春季剪定技術交流会を開催しました。秋季と違ってサザンカやツバキの大物や五葉の松・糸ヒバそれにモンスター状態のサンゴジュなどです。10年ほったらかしの大荒れ状態です。造園科の仲間は闘志満々で三脚に昇り始めました。最初ワイワイと近況を話しながら鋏を入れていたが、暫くするとパチンパチンと枝を切る鋏の音しか聞こえません。真剣モードに入っているなと感じつつ私もここはこうしてあそこはこうだろうと考えながら剪定していきます。んん〜ん 違います ちがいます 剪定より先に枯れ枝と徒長枝を落とします。10年ぶりの剪定ですからもうめちゃくちゃ状態です。それら忌枝を落としてやっと本来の剪定に入ります。造園科を卒業して植木職についている人、そうでない人、4年経つが皆さんかなり腕をあげていました。さぁ 次は秋季剪定技術交流会だ、事務局の方から10月22日(土)に決定したと報告された。
一人不参加だったが7人できっちり予定の3時で完成しました。
 
かなり荒れていて、五葉の松は原型を留めていず、サンゴジュは根元から伐採したがひこばえから5m程の高さまで成長していた。
 
今回は刈り込み鋏を使わず全て伐り戻し透かし剪定方式で剪定した。樹木の枝が見えそしてその後ろの風景もかすかに望め、野鳥が中に入り枝を渡り歩き、風で小枝がさわさわと揺れるように切り取るのが理想なそうだ。事前学習のイメージトレーニング通りに透かせた伐々会事務局長ミーさん、造園屋さんで働いているアオさん、仙台のシルバー植木職伐々会委員長サーさん、皆さんかなりスキルアップしていました。
 
この方たちは高い木にあがるのが大好き人間です。元 消防レスキュウ隊の梶さん、航空自衛官の深さん、郵政省職員のスーさん、皆さんたっぷり年金満額になって余裕綽綽です(笑)。
 
見違えたでしょ、スキルナンバーワンはなんと言っても松島ホテル大観荘の専属庭師深さんです。形を大きく崩していた五葉の松をキチンと仕上げてくれました。造園屋で働くアオさんはツバキの剪定、シルバー植木職のサーさんはサンゴジュの天端落としと透かし剪定。
 
ここは裏の部分で私の持ち分。大荒れの糸ヒバと枯れ枝半分の五葉の松にアタックした。まぁ 剪定と言うよりゴミ掃除でした(笑)
  5月22日  晴れ              ◆新芽摘みを始めてもいいよ   7
シルバー植木職人は週3日のスケジュールで仕事をしている。仕事遊びの私にとってはとてもありがたいペースだ。我が家のツツジは今が最高調に咲いている。朝カーテンを開け布団にぬたばって(腹ばい)観るのが日課となっている。今年のツツジはとても色鮮やかだ。黒松の新芽は勢いが良く、葉が展開しかけている。こうなれば"新芽摘みを始めてもいいよ"のシグナルだ。作業は簡単で指でポキポキと摘んでいくだけだ。ただ全体が蒲鉾形になるように高さを調整しながら摘むことが肝心だ。秋におこなう"もみあげ"作業で古葉を取り除いたときに芽摘みの良し悪しが分かる筈だ。今日はいっきに7本もの松の木をやっつけました(笑)
 
新芽をこのまま構わずにいると見苦しく樹形が乱れる。ビュンと太くて長い芽を元から切落とし、脇芽となる短い2芽を残すのがポイントだ。この新芽切りで松の形を作る感じで摘むと良い。
 
新芽を摘んだあとのようす。新芽がビュンビュン伸びて見苦しかったが、摘み終わると形ができてきたように見える。
 
紅葉と珊瑚樹も新芽が伸び見苦しかったので剪定してやった。刈り込み鋏を使わず切り戻し透かし剪定をするようにしている。
 3月25日  晴れ                  ◆スキッと柔らかくそして   6
東京は桜の開花宣言がだされたようだが、こちらでは今梅が満開だ。もう少し三寒四温は続くが4月上旬に桜の咲く時期になると花冷えなんていう表現する日もある。その間のこの時期になごり雪が降ったりする。きょうはそのなごり雪が降る中、残りのカシノキを剪定しその後サンゴジュの剪定にはいった。カシノキと違い枝ぶりを吟味しながら中透かしで剪定することにした。その前にシルバーセンター公園係の新人さんへのスキル伝授を目的にメンバー5人で勉強会を試みた。其々が剪定し終わったサンゴジュを基本と応用に照らして批評仕合い、自分が気づかない部分を発見するのに役立てる為だ。この公園東側に150m程シラカシとサンゴジュが並行して植栽されている。勉強会で得たスキルを早速試しながら、剪定前のモンスター状態からスキッと柔らかくそして優しく美しく仕上げた。私的には一般住宅のお庭の剪定より規模が大きい公園の樹木を剪定する方が性に合っているように感じる。今回の仕事はどうやら市役所建設課の予算が余ったらしく"使い切り"の為の措置なようだ。11日間の仕事だったがおかげさまでいい小遣い稼ぎになった(笑)
中央の側溝右が公園で左は民家だが、こちらでは仔馬のポニーを放牧している。公園に遊びに来た子供たちに見せるのを楽しみに飼育しているのだそうだ。
 3月15日  晴れ&強風              ◆そのうち気がつくでしょ  5
シルバーで仕事するようになると天気予報が今まで以上に気にかかるものだ。雨や雪の予報は外れて欲しいものだが晴れの予報は当って欲しい。今日の予報は当たりましたよ、晴れでも寒く強風が吹くとね。汗をかかなくて済みますから小寒い方が仕事はやりやすい。ただ今日の強風はいただけません、植木が揺れますし伐り枝が飛ばされますからね。古代の里 西側200mほどシラカシが垣根風に植栽されている。今度は自然風でなく垣根風に剪定した。高さ5mの垣根ですから容易ではないですよ。それも中透かし剪定のオーダーです。その中透かしの程度が問題で、感覚は個人差がありますからねぇ。案の定専務からもっと透かせ!!と指示が飛んできた。
ええぃ!! 大透かしにしちゃえ!! ということでそれからは得意の伐々伐りしたら、ほ〜ら丁度良いじゃないかということだった。オレ流 透かしの極意は太い枝を伐って細く弱い枝を前に出すことだ。もちろん枝先はY字剪定です。最初に天端を切落とし枯れ枝や交差枝等忌枝を取り除くことから始まるのだが、仲間達はそれを疎かにしがちで、透かし剪定することだけに気持ちが先行している。しょうがないね シルバーだし そのうち気がつくでしょ。  そこで子羊さん 子羊流透かし剪定方法をアドバイス願います。
二年前に刈り込み鋏で大雑把に剪定したそうで、モンスター状態のシラカシの垣根。天端をスパッと切落とすことから始まった。
個人的には大透かしが好き。耳を澄ますと細い枝先が風に揺れ、気持ちが落ち着く心地よいメロディが聞こえてくるようだ。
 3月8日  曇りのち晴れ               ◆植木職人の活動開始   4
シルバー植木職人の活動開始となりました。いいですね、趣味の延長線上で良い汗かいて冗談言い合って更に一服の回数が多く、そして昼食の後は昼寝して、なにもどこにも文句のつけようがありません。現場は化女沼脇の古代の里公園です。シラカシが広い公園の西側に100本ほど壁のように林立しています。二年前に垣根風に剪定したらしいですが、今では高さ5m幅2.5mほど有りかなり荒れています。今回は自然風大透かしで剪定することにした。枝をこまごまと剪定せず混み合った太い枝をバランス良く大胆に切落とし、枯れ枝も沢山ありますから全て切落としスキッと風通し良く日光が入りこむようにします。最後に残した細い枝を剪定鋏でYの字になるように丁寧に剪定してあげます。一日のノルマは5本と決めている。一日目のわたしは7本そして今日は午前に5本仕上げた。仕事は早いですよ、剪定は上手かって? えへん!!  仲間はわたしのを見て参考にしています(笑) チームは5人で同い年が3人、目上の方が2人という仲間です。   
もうじき70歳になる先輩たち、今日もノルマを達成できませんでした(笑)それでも良いんです、怪我さえしなければ。
シラカシのモンスターが100本近くある。チマチマと松等を剪定しているより、バッサバッサと伐るのはわたしの性分に合っている。
この時期ここまで剪定すると風邪引きそう。でも暖冬だし春がもうそこまで来ていますからね。カラッとして枝が風に揺れて清々しい。
 3月4日  晴れ       鋏を握る手におもわず力が入った   3
予報通り3月上旬にしては暖かい1日だった。午前はスポーツクラブで大きな声を出し体いっぱい使って良い汗を流してきた。体の皮膚が筋肉がそして心の張りまでもキュッと若返った気分になれるからたまらない。連れ合いが作ってくれた昼食の天ぷらそばとカヤクご飯はペロッと美味しくたいらげた。
午後になって今週から始めていた紫陽花小径の手入れは、はかどって約半分まで進んだ。数年前まで100本超あったが管理が大変になったので今では60本と減らした。ほぼ放任で育てるのが普通だが、そこは植木職人の端くれです。花が終わるお盆前にトリマーを掛けて花を伐り落とし高さを幾分低く剪定します。本来は天端から3節あたりを剪定鋏で伐り戻すのだが、とても60本もやっていられない。そして新芽が成長する前のこの時期に古くて太い枝を根元から切り取り株全体をカラッとスキッとして根元まで風通しを良くする。当然花芽の数はその分少なくなるが、病気に強く均整のとれた株立ちとなりわたし好みの紫陽花となる。通りすがりの地区の人に「今年もキレイな紫陽花を観る事ができるね」と声を掛けて戴いた。観てくれていたんだぁと思ったら鋏を握る手におもわず力が入った。
紫陽花も庭木同様Yになるように剪定します。普通はやらないですよ、暇だから拘ってしています。でも花が咲くと違いが分かります。
太くてささくれだった茎は切り取り、若くて活きの良い茎に更新します。いつまでも年寄が頑張っているようではキレイな花は咲きません。んんっ なんか人間社会にも言える事じゃん(笑) いいんです年寄には年寄の世界があります。 来週からシルバー植木職人の仕事が舞い込みました。もちろん行きますよ、だって体がムズムズしてるんです(笑)
 2月14日  雨のち晴れ       造園屋さんの道に進めば      2
我が家は四方が雑木山に囲まれている。そう言うと山の中で暮らしているのだろうと思われてしまうが、決してそうではない。JRの駅まで歩いて15分という便利な場所に住んでいる。ここに引っ越してきたのが31年前だった。庭木を買う余裕もなかったので雑木山に入り植木となるようなウメモドキ・ムラサキシキブ等を掘ってきて育ててきた。せんだってウオーキングしていてふと目に着いたのが斑入のアオキで、青い葉に黄色い斑点が入っているものだ。これは家にないぞということで早速雑木山に入り探したら直ぐに発見。しっかり根回しし根を菰で包んで掘り上げてきた。その辺のスキルは造園科で学んできたのでお手のものだ。その先に枝ぶりが良く丁度よい大きさのツゲの木もあったのでこちらもついでにゲット。早速裏の堆肥置き場の脇に植え込み支柱を立て根を安定させた。まぁ 材料はありあわせだがしっかり役目を果し根づいてくれればそれでよい。こういうことするのが好きなんだよなぁ。最近つくづく中学卒業して直ぐに造園屋さんの道に進めば良かったなぁなんて思ったりします(笑)
  
黄色い斑点の濃さはさまざまだ。これは少ない方。こちらではフウ入りと呼んでいる。日陰でよく育ち庭木としては影が薄い。
  
  1月20日  晴れ                大胆に切落とす    1
大雪を降らせた低気圧が去り、また暖かい冬に戻ったような一日だった。明日香さんの"キウイの剪定しましたよぉ"というblogを読み「ヨシ!! アケビの剪定をしよう」と炬燵の運転手を止めにした。畑に雪はあっても風はなく暖かかったですしね。パッと外に出て作業着に着替え腰に剪定鋏を下げれば植木職人にカチッと早変わりだ(笑) 毎年強剪定しても蔦は棚いっぱいに這い沢山のアケビを実らせる。今年も大胆に切落とすのだが、古い蔦を切落とし去年の新しい蔦に更新するように伐るのがオレ流だ。新芽はもう膨らんでいて3月上旬の蕾のようだ。伐った蔦を引く時この新芽をキズつけないよう落とさないように、ゆっくり慎重に作業することが肝心だ。剪定鋏を持つと気持ちが前向きになれる。今年は一ランク上の剪定スキルを身につけようと心に決めている。早く春が来ないかなぁ。    
蔦が見えない? 在るんです、これくらい強剪定するんです。
蔦どうしが絡み合い作業は根気が大切だ。ミツバアケビとムラサキアケビを育てている。どちらも雑木山から採ってきたものだ。  
  1月1日  晴れ             新年明けましておめでとうございます
     
新年明けましておめでとうございます。 今年の目標は一ランク上の剪定技術の習得です。